戸建て・賃貸・マンション、どれが正解?地方40代サラリーマンが戸建てを選んだ理由【予算シミュレーター付き】

マンションvs戸建て、30年後の維持費で比べたら|リフォーム屋の試算 家・住まい

「マイホームは戸建て?マンション?それとも賃貸のまま?」——家の話になると、必ず出てくるテーマです。

先に言っておきたいのは、これに唯一の正解はないということ。戸建て派・賃貸派・マンション派、それぞれにメリットとデメリットがあり、その人の事情で正解は変わります。同じような年齢・家族構成でも、住んでいる地域が違えば答えは変わる。とくに首都圏や主要都市では、マンションの購入がそのまま資産・投資になることもあります。

🏢
マンション派
立地・利便性・資産性。
ただし維持費は下がらない
🔑
賃貸派
身軽で気楽。
ただし資産は残らない
🏠
戸建て派
自由と資産。
ただし維持は自己責任

人によって正解が異なる。それが大前提です。そのうえで——

結論:地方の平凡なサラリーマンの私は、戸建てを選びました

地方住み・40代・家族構成は妻ひとり子ひとり・平凡なサラリーマン。そんな私は、戸建てを選びました。

30代後半で子どもが生まれ、それなりの役職につき、収入も安定してきました。絶対とは言えないけれど、県をまたぐような転勤もなく、今の会社に満足している。そんなタイミングでした。

家を買おうと思ったきっかけは、子どもの成長と将来を本気で考えだしたことでした。

娘が1歳になり、夫婦ふたりだったころと環境ががらりと変わります。子どもの将来を考えるようになり、荷物や家にあるものが変わり、生活動線も変化した。いたずら盛りになっていく娘には、今の住まいは少し手狭だな、と感じるようになっていました。

それに、私は早くに親を亡くしていて、親孝行できるときにできなかったという思いがありました。義両親に娘を会わせているとき、親孝行をしている実感がもてて、「もう少し近くに行きたい」と思ったのも大きかった。

なにより、賃貸じゃなく「自分の城」がほしいという、月並みな夢みたいな思いもありました。

そういう気持ちから将来を検討したとき、これは早ければ早いほどいいと決心しました。とんでもない金額の借金ととらえると、どうしても決断が鈍るのがマイホームです。でも幸い、私は今、踏み出してよかったと心から思えています。その経験が参考になればと、記事にしてみることにしました。

お金の話 ── まずはここが気になる

みなさんがいちばん気になるのは、やっぱり費用の話だと思います。私が実際にたどった順番で、賃貸・マンション・戸建てを見ていきます。

〇 賃貸 ── 家を建てる前の、わが家の暮らし

家を建てる前は、賃貸に住んでいました。3LDK・80㎡。一応3LDKですが、一部屋は3.5畳ほどのかなり狭い部屋で、もともと4DKだったのをダイニングと一部屋を改装してLDKにしたつくりの住まいでした。

LDKと1部屋がつながっていて、「LDK+引き戸続きの部屋+夫婦の寝室+物置部屋」のような間取り。物置部屋は部屋に使えなくはないけれど少し狭すぎる。LDKと続きの一部屋は別で使えなくもないけれど、実質ひと部屋のようなつくりなので、今はよくても娘のプライバシーが必要な年齢になると少し厳しいなと感じていました。

この住まいの家賃が、もろもろ込みで9万円。築30年ほどのRCマンションでフルリフォーム済み、同価格帯ではかなり条件の良い物件でした。空きが出るとリフォームして募集していたようで、隣の部屋は11万円で募集され、すぐ入居者が決まっていた。うちは入るタイミングがよかったのかもしれません。

家賃相場も物価上昇にともなって上がっているな、と感じていました。値上げがあるかもしれない——それもリスクとして捉えていました。なにより、このまま家賃を払い続けるのはもったいない。よく言われることですが、将来を考えたとき、妻や娘になにも残せないのは嫌だと思ったのです。

そして、オール電化にすれば光熱費が削減できるのは商売柄わかっていたので、それも含めてマイホーム購入の予算を計算することにしました。

💡 ちょっと寄り道:オール電化って本当に安いの?

「オール電化にすると電気代が3万円になりそう」と思われがちですが、実際はそうなりません。電気もガスも基本料金がかなりの割合を占めるからです。さらにオール電化はお得な深夜料金を使えるので、経済的なメリットが大きい。

電気 1.5万 + ガス 1.5万(合計3万)
  ↓ オール電化に変更すると
電気 2万 + ガス 0円(合計2万)くらいに
※地域差はありますが、おおよそのイメージ

わが家の場合、建てた家の性能が良くなったことも重なって、オール電化の効果だけで電気1.5万円ほどの使用量になりました。1.5万円の削減です(さらに太陽光のおかげで、実際はもっと低い)。

私はマイホーム購入前に、光熱費を2万円削減すると決めていました。そこで「9万円(今の家賃)+2万円(削減できる光熱費)=11万円」までを、わが家の予算としたのです。

住宅ローンの借入可能額は、一般的に年収の5〜7倍といわれます。でも私は、今できている生活を起点に考えようと思いました。年収から逆算するよりも、「今の生活費」から逆算するほうが、無理のない現実的な予算になると判断したのです。

その考え方を、そのまま計算できるようにしたのが下のシミュレーターです。今の家賃・電気代・ガス代を入れるだけで、「今と同じくらいの月々の負担で買える家の予算」がわかります。

🏠 わが家の予算シミュレーター

いまの暮らしの費用を入れるだけ。「今と同じくらいの月々の負担」で買える家の予算を計算します。年収からではなく、”今の生活”から逆算する考え方です。

① いまの毎月の住居費
家賃(管理費・駐車場込み)90,000
電気代15,000
ガス代15,000
いまの住居費 合計 120,000 円/月
② 住宅ローンの条件
頭金0 万円
借入年数35
金利(変動)1.20 %
買える家の予算(目安)
3,600 万円
・住宅ローン借入額 3,600 万円(+頭金 0 万円)
・毎月のローン返済 105,000
・新居の光熱費(オール電化想定)15,000
・合計の月負担 120,000 円 ← 今とほぼ同じ!

※オール電化+高断熱で光熱費は約半分になると仮定して計算しています。ボーナス払い・購入時の諸費用・固定資産税・保険は含みません。あくまで「考え方」をつかむための目安です。

私が実際に借り入れしたときの条件では、変動金利0.825%・35年ローンで4,000万円がひとつの目安になりました。これで月11万円の支払いです。オール電化で光熱費をマイナス2万円達成すれば、無理なくマイホームを買えると考えたわけです。

⚠️ ……ですが、これには落とし穴がありました

実際には、この時点では見えていなかった想定外の費用・リスク・お金の動きがありました。保険(団信)の話や固定資産税の話です。ここは長くなるので、別記事でくわしく解説します。→ 住宅ローンと保険・税金の「見えない出費」を解説

〇 マンション ── 買ったあとも「固定費」が下がらない

マンションの物件価格は、同じエリアの戸建てと同等か、立地の良いぶんやや高いことが多い。ただマンション最大の特徴は、買ったあとも毎月の固定費が下がらないことです。

  • 管理費+修繕積立金+駐車場で、月3〜5万円ほどかかり続ける
  • 修繕積立金は「最初は安い」のがカラクリ。購入時に基金をまとめて徴収し、月々は最初の10年ほど低めに設定→その後どんどん上がる。全国平均で管理費+修繕積立金は月2.5万円前後
  • しかも修繕積立金は外壁・屋上など「共用部」だけ室内の水回り・内装の修繕は別途自己負担です

いっぽうで、立地の良さ・利便性・エレベーターで老後も安心・都市部でのリセールはマンションの大きな強み。首都圏や主要都市では価格が上がり、資産や投資になることも。「立地最優先・管理は任せたい・都市部に住む」人には、マンションがハマります。逆に地方だと、維持費だけが重くのしかかりやすい、という面もあります。

〇 戸建て ── 性能を上げれば、維持費が軽くなる

戸建ては大きく建売注文住宅に分かれます。

  • 建売:初期コストが安く、月々のローンも抑えやすい。ただし外装・内装の品質は賃貸レベルになりがちで、10〜30年でメンテ費がかさむことも(→ この話は雨漏りとメンテの記事でくわしく)
  • 注文住宅耐震・断熱・太陽光など性能を自由に上げられる。光熱費が太陽光+オール電化で実質ゼロに近づき、高耐久仕様なら維持費は月2万円ほどに抑えられる。最大の弱点は土地代

私は注文住宅(平屋)を選び、「後々の維持費を抑える設計」に振り切りました。取得費は高めでも、30年で見れば総額が逆転すると考えたからです。その詳しい理由は→ リフォーム屋が”一生住む家”に平屋を選んだ理由

〇 住む場所の話

地方は基本、車社会です。駅近であることの価値は都市部ほど高くなく、そのぶん土地が現実的な価格で手に入ります。都市部で2,500〜3,000万する土地が、少し郊外なら2,000万ほど。戸建てという選択肢が、地方では現実的になるのです。

そして私にとって大きかったのが、「住む場所を自分で選べる」こと。義両親の近くに家を構える、という選択ができました。マンションは立地に縛られますが、戸建て(とくに土地から探す注文住宅)は、暮らしたい場所に暮らしを合わせられる。ここは価値観次第ですが、私には決め手のひとつでした。

〇 夢の話

正直に言うと、「自分の城がほしい」という、あこがれのような気持ちがありました。月並みかもしれません。でも、間取りを自分たちに合わせ、庭をつくり、「ここは自分の家だ」と思える——この満足感は、数字には表れないけれど確かにある。賃貸では絶対に手に入らないものでした。

〇 生活環境の話

子どもが生まれると、暮らしは一変します。荷物が増え、生活動線が変わり、収納が足りなくなる。娘が成長すればプライバシーの守れる個室が必要になります。賃貸の間取りでは、いずれ限界が来るのが見えていました。

戸建て(注文住宅)なら、今の家族と、これからの家族に合わせて環境をつくれる。子育ての動線、収納量、それぞれの部屋。「今」だけでなく「10年後の暮らし」を設計できるのは、大きな安心でした。

〇 家族に残すものの話

最後に、私がいちばん重く考えたのが「家族に何を残せるか」でした。賃貸は、家賃を払い続けても手元には何も残りません。戸建ては、ローンを払い終えれば土地と建物が資産として残る

そしてもうひとつ。住宅ローンには団体信用生命保険(団信)がついていて、万一のときはローンが完済され、家族に「家」が残ります。これは、賃貸では得られない安心です。(この団信・保険の考え方は→ 住宅ローンと保険の記事でくわしく)

まとめ:正解は人それぞれ。でも「今の暮らし」から考えれば怖くない

戸建て・賃貸・マンション、どれにも良さがあります。立地とリセールならマンション、身軽さなら賃貸、自由と資産と維持費の軽さなら戸建て。あなたの年齢・家族・地域・価値観で、答えは変わります。

それでも、地方の平凡なサラリーマンだった私は、戸建てを選んで心から良かったと思っています。大事なのは、年収の何倍という他人の物差しではなく、「今の暮らし」から予算を逆算すること。そうすれば、マイホームは”とんでもない借金”ではなく、”手の届く現実”に変わります。上のシミュレーターで、ぜひあなたの数字を入れてみてください。

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